精神科医の斎藤環さんの解答が面白かったので引用します。
「なぜ勉強をするのか。それは、自由になるため。
たとえば君が、一人でいろんなところに自由に移動したいとしたら、まず何が必要だと思う?
クルマ?
そうだね。じゃあクルマはどこを走る?
そう、道路だ。道路があるからこそ、人は自由に移動ができる。
勉強というのは要するに、アタマの中にたくさんの道路を通すことなんだ。
勉強の中身は忘れても、開通した「道路」だけはしっかり残る。
アタマの中に道路のネットワークがあると、自由にいろんなことが考えられる。自由な考えを持つ人にとって、世界は自由な場所となる。そうなれたら素晴らしいよね。」
以上引用でした。
道路は繰り返し通れば、よりはっきり残る。
あとは、走る車自体の性能を上げることも大事。
走らせる時のエラーを無くすことだったり、スピードを出せるようになることだったり。
今の自分のマシンの性能を見極め、そこからバージョンアップさせることが大事。
軽自動車が急にF1マシンみたいに走れないのと同じで。
塾に来る親御さんでたまに、「うちの子がF1マシンみたいに走れないんです…」と嘆いている方がいたりするのですが、その子は今のところそんな車じゃないので、F1マシンと比べてその子を見るんでなく、せめて現状の次の段階くらいの車を視野にいれて、バージョンアップできてもできなくてもその子を認めてあげるようにしてもらえたらなぁ…と思うことがあります。子どもを貶しても、走る気力と自信がどんどん無くなる一方なので。ガソリンを自分で抜いておいて走れない子どもを叱咤しているような…。
子どもにどんどんガソリンを入れてあげて、自分が子どもにとって良いメカニックになってあげたり、どこかにいる良いメカニックに出会える機会を与えてあげてもらえたらなと思います。
部品が調子悪いだけの状態の子は、部品さえ復活すれば割と早く走りが伸びます。その部品がどこなのか、迅速に見抜いてぐんぐん走っていく子どもたちを見守れることが、この仕事をしていて嬉しいことの1つ。
中にはガソリンが足りなすぎて、なかなかマシン本体のバージョンアップにたどり着けないことも。こういう時が1番もどかしいです。マシンが良くなることで燃費がアップしてガソリン不足をカバーできる可能性もあるので、ガソリンを入れながらマシンを改造して、と両方から働きかけています。
1人1人、マシンも状態も様々なので、現状の見立てを正確にやりながら、一緒にどこまで性能をよくして、どこまでドライブさせてあげられるか。せっかくなら、快適な車で、素敵な景色を楽しんでほしいです。